スリランカから日本へ ~ 私の夢 ~
スリランカで学んだ日本語
スリランカ中南部に位置するウワ州ディアタラブゥ地方出身のサナリさんは、山と川が近くにある自然環境のよい小さな町で育ちました。地域の優秀な学生が通う中高一貫の公立学校に通い、高校時代に日本語の授業をとり日本語能力試験初級レベルにも合格しています。日本語の勉強を通じて日本のアニメを知り、そのアニメのおかげで日本に来ることができたといっても過言ではありません。皆が知っている有名な日本のアニメは、ひととおり見ました。その中でも“呪術回戦”、“鬼滅の刃”が好きで、“となりのトトロ”、“崖の上のポニョ”、“千と千尋の神隠し”といったジブリの世界観にも魅かれています。小さいときは両親が働いていたので、おばあちゃんに育てられて、毎日家の近くにあるお寺に、庭に咲いているお花を持ってお参りに行っていたそうです。小さい頃に山や川で遊んだ思い出が、“となりのトトロ”の世界に何か通じるものがあるのでしょうか。
日本語学校での生活
来日して1年と少し経ち、楽しい思い出もたくさんできました。日本に来て初めてできるようになったことに、自転車と料理があります。サナリさんは、「日本で初めて自転車にチャレンジして乗れるようになり、今は毎日乗っています。」「U-tubeの動画レシピを見て、色々な料理に挑戦しています。料理も日本に来て作れるようになりました。」と、とても嬉しそうに話してくれました。日本に来て一番嬉しかったことは、今年7月17日の誕生日の夜に、今では姉妹のように接してくれる他の国の留学生の友達が、突然ケーキを持って訪ねてきてくれたこと。サナリさんは昨年来日した留学生の中で、たった一人のスリランカ人留学生です。そのため、日常生活でも教室でも、他の留学生が同じ国の学生同士で歓談する中、周囲に溶け込む努力をし、ルームメイトやクラスメイトとのよい関係を築いてきました。今年10月に行われた入学式では、在校生を代表して、素晴らしい祝辞を述べてくれました。いつも笑顔を絶やさず前向きなサナリさんは、学生からも先生からも親しまれ、一目置かれる存在です。
卒業してからのこと
今は、来年4月からの進学先も決まり、これからの日本での生活に大きな期待を持っています。もともと、建築に興味があり日本で建築分野の勉強をして働きたいという夢を持っていました。最近は、関西で生活する中で、日本の歴史や伝統文化に興味を持つようになり、京都の街並みに魅かれています。これから、訪れてみたいところもたくさんあります。USJ、紅葉の美しい場所、スキー旅行など、それらの場所に行く日を、わくわくしながら夢見るサナリさん、これからの日本の生活にも、たくさんの冒険と幸せが舞い降りますように。